以心伝心で、なんでもわかりあえる似た者夫婦……というと、いたって幸福な夫婦を想像する。
オーストラリアのフレデリック・マッチェルさんと妻のスーザンさんも、不思議なくらい気の合う似た者夫婦だった。
まず、境遇が同じ。ふたりとも小さいときに里子にだされ、ふたりが出会ったときには、どちらも養父母に死に別れて天涯孤独の身だった。
また、スーザンさんが産気づいたとき、会社にいたフレデリックさんも腹痛を起こし、それとわかった……などという経験もある。
この「似た者同士」が、じつはくせものだった。
結婚10年目にふたりは軽い気持ちで、実の両親のことを調べはじめた。そして、調査開始の6年後、なんとふたりとも同じ病院で同じ日にうまれたことがわかった。
「わたしたちは赤い糸で結ばれているんだわ」
喜んだ夫妻は、さらに4年後、産院でふたりをとりあげた看護婦をみつけだすことに成功。さらにどんな「偶然」がわかるのかと、ワクワクしていたフレデリックさんとスーザンさん。ところが看護婦さんの話は、いきなりふたりを奈落の底につき落とすものだった。
「あなた方はふたごの兄妹です」
もちろん、オーストラリアでも近親結婚は禁止。しかも、民法で禁じているだけの日本とちがって、近親相姦罪という罪まである。
ぜったい離婚はしない、といいはるこの夫婦、国を追われることになるかもしれない。

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