玉の輿にのったら、待っているのは、家事はお手伝いさんまかせで遊び歩く優雅な毎日……と思ったら大まちがい。
大学卒業と同時に結婚したS子さんのお相手は、合コン(合同コンパ)で知り合った旧家の跡取り息子。埼玉に300坪の日本庭園をもつという家で、S子さんはすっかり舞いあがってしまった。
「ムフフ、玉の輿よ」
披露宴も、一流ホテルに300人ほど集めての豪華版。
「わたしひとり幸せになってごめんネ〜」
友人たちに自慢しながら嫁いだのだが……。
優雅な若奥様の生活など、夢のまた夢。
「家のお掃除とお庭の手入れは、あなたの仕事ですからね」
お姑さんの命令で、300坪の豪邸の掃除に明け暮れ、あるいはお茶会の接待にコキつかわれる毎日が待っていた。旧家の嫁は家族の一員ではなく、ダダ働きのお手伝いさんのようなものだったのだ。
半年後、連絡のとだえたS子さんを心配してやってきた友人たちは、やつれはてて老けこみ、「疲れたわ」を連発する彼女にビックリ。結婚前の浮かれようを知っているだけに、複雑な表情で旧家をあとにしたのだった。

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