海外に駐在する商社マンは、給料はいいし、外国の物価も安いしで、リッチな生活……。このような話はよく耳にする話で、Y子も、海外へのあこがれと、リッチな生活へのあこがれの両方から、海外駐在員の妻になるのが夢だった。
そうして知人の紹介で結婚したのが、中堅商社の海外駐在員。
「やった-!これで、海外でリッチな生活ができる」
ところがあにはからんや、喜んだのもっかのま、結婚してはじめての赴任先は政情不安定な中南米。テロ騒ぎの絶えない町に住み、奥地にいったきり、なかなか帰ってこない夫をひとりで待ちつづけるという、オソロシイ
生活が待っていた。
やっと転任になったと思ったら、こんどはアフリカ。よく考えてみれば、夫が勤務するのは宝石の原石をあつかう部門だから、駐在するのも宝石の原石の産地、つまり、開発途上国ばかりになるのは当然だったのだ。
しかも、ウワサに聞くようなお手伝いさんや運転手つきの生活ができるのは、一流企業の商社マンだけ。中堅クラスでは、リッチ度もいまイチ。国内勤務のサラリーマンの妻にくらべて、オイシイところはなにもない。
「こんな生活、もうイヤ!」と、Y子は遠く南の地で泣いているという。

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