『老人と海』の著者として知られるアーネスト・ヘミングウェイは、恐ろしいほど事故の多い人生を送った人物である。
子供のとき転んだひょうしに、口にくわえていた棒が扁桃腺に突き刺さったこともあれば、釣り針が背中にめりこんだこともある。
青年時代は戦争で爆撃をくらい、ガラスで手足を切ったり、湯沸かし器を壊してひどいヤケドを負ったりもした。
1928年には9針も縫うケガをした。酔っぱらって電灯のヒモをトイレのヒモと勘ちがいして引っ張ったため、ガラス製の重い電灯が頭の上に落ちてきたのだ。
1年後には鼠径(そけい)部(もものつけねの内側)の筋肉をダメにし、そのまた翌年には交通事故で腕を骨折。酒に酔って自分の足を銃で撃ったのは1935年だった。
1944年には車を激突させたり、オートバイから投げ出されて脳しんとうを2度経験する。それでもあきたらず、翌年も無茶な運転をして土手に突っこみ、額が陥没して膝の骨と3本の肋骨を折った。
まだまだある。1950年には転んで動脈をザックリ切り、またライオンの爪で重傷を負ったこともあるのだ。
そして1954年には飛行機事故に2度も見舞われ、脊髄にヒビが入り、腎臓と肝臓と脾臓が破裂した。括約筋はマヒし、腕も脱臼したという。
これらのほかにも、ヤケドや肩とかかとの捻挫、靱帯を切ったり足の指をつぶしたりと、ケガをあげたらきりがない。それでも致命傷にはいたらず、1961年に散弾銃で自殺するまで、ヘミングウェイは61年間も生き続けた。
半人前の死神が取りついてでもいたのだろうか?なんといっても最期の始末も自分でつけたくらいだから。

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