1915年、第一次世界大戦の最中。守備隊長ケイザル大尉率いるイギリス軍の部隊は、エジプト北東部のシナイ砂漠で、弾薬や食糧の補給ができず、窮地に立たされていた。
そこへシェイク・ラファイ・ラバイという身なりの貧しい老人があらわれた。長い間預かっていたケイザル大尉宛の手紙を渡したいというのである。
その手紙の差出人は、なんとあのナポレオン・ボナパルトであった。大尉は、不審に思いながらも手紙を開いてみると、まぎれもなくナポレオンからケイザル大尉宛に書かれたもの。
手紙には、食糧と弾薬の埋めてある場所を教え、エジプト国境に向かって撤退するよう指示してあった。実際、手紙に記されたところを掘ってみると、食糧や弾薬が発見され、ケイザル大尉率いる守備隊は、危ういところを命びろいできた。
しかし、ナポレオンと第一次世界大戦中のケイザル大尉とでは、100年以上の隔たりがある。
どういうことかというと、じつはこの手紙、100年以上前にナポレオン軍に従軍し、当時、陸軍大尉だったケイザル大尉の曾祖父に宛てて書かれたもの。
ラバイ老人が15歳のとき、ケイザル大尉に渡してほしいとナポレオンから預かったのだが、大尉はすでに出発した後だった。それでずっと保管していたという。
100年以上生きているのもすごいが、まだ渡そうというのが律義である。

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