「空城巧計(くうじょうこうけい)」とは、中国三国時代の軍略家、諸葛孔明の故事にちなんだ言葉。
孔明の城が敵の大軍に攻められたときのこと。兵たちは怖じ気づいてしまい、すっかり浮き足立っている。劣勢の上、わずかな兵しか残っていないのだから当然のことだ。
しかし、そのとき孔明はすこしも騒がなかった。それどころか、城門を開け放って門には水を打ち、かがり火をたいた。そして、盛装に着替えて城のやぐらに登り、悠然と琴を奏ではじめたのである。
しかも、門に立つ見張りの兵は、座りこんで居眠りをしているではないか。これではまったく隙だらけだ。敵将の仲達もこれにはさすがに意表をつかれた。
この仲達も知謀にたけた男だったが、これにはすっかり惑わされてしまった。とんでもない仕掛けがあるにちがいないと考えたのだ。
結局、仲達は、全軍に引き上げるよう指令を出した。天下にとどろく孔明の軍略を恐れてのことである。
ホッと胸をなでおろしたのは、孔明のほうだった。追い詰められた末なんとか打った手に、敵がみごとにはまってくれたからだ。
ゆったりと構えて敵を攪乱したのだ。それを見ぬかれないように、門に立つ兵にも居眠りしたフリをしているよう、きつく命じてもいた。
早い話、「空城巧計」つまり、ポーカーフェイスを保つことによってギリギリ難を逃れたということなのだ。

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