昭和36年6月に『シャボン玉ホリデー』というバラエティー番組が日本テレビではじまった。
いまは亡きハナ肇(はじめ)が率いるクレイジーキャッッとザ・ピーナッツを中心に、当時の人気歌手が歌ったりコントを演じるという日曜日の娯楽番組だった。
超人気番組で、残業時間が1月300時間を超えるスタッフもいたという。やたらと忙しい現場だった。
収録は、100坪ほどの狭いスタジオに3つぐらいのセットをつくってどんどん進行していく。出演者はその中を着替えながら飛びまわるという具合だ。
あるとき、こんなことがあった。場面はハナ肇さんたちがシリアスなコントをやっているところ。そのセットの裏では、植木等さんが衣装替えをしていた。
そのとき、なにげなくセットのふすまを開けてしまって植木さんは、「ン?」。ハナさんたちがコントをやっている。とっさにアドリブが出た。
「お呼びでない。全然お呼びでない。こらまた失礼いたしました」
場面をメチャクチャにしてしまったかと思ったが、これが視聴者には大ウケ。
苦しまぎれに出たとっさのひと言が、日本じゅうに大流行するギャグとなった瞬間であった。

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